Pascal's Triangle
パスカルの数学論文集をフランス語原典にあたりながら考察した出版物に触れる機会はあまり多くない。とある私立大学でコンピュータ概論の授業科目を1980年から20世紀末まで担当してきたが、その授業のなかでパスカルが製作した計算機械の話を少しだけ織り込みながらも、その計算機械を17世紀に作成したパスカルの動機と当時の社会への影響については、一般向けの数学史にある程度の簡単な解説しかできなかった。そのコンピュータ概論を後任に引き継いだこの機会にパスカルの数学論文の中から計算する機械をパスカルがどのようにイメージしていのかを想像してみたい欲求にかられるようになった。21世紀となってから20年近くが経過して計算機械から思考する機械が誕生・出現するということが大衆にとってもそれほど違和感がなくなった現在から見て、17世紀当時の社会でもしも、この計算機械が広く知れ渡ればどのようなことになっただろうか。歯車を利用した計算機械が工場で生産されるようになっただろうか。果たしてパスカルは機械が自動で計算することができるようになることについては、どのように考えていたのだろうか。 数3角形 (Triangle A »